DIPS

DIPSはクーラントの常識を打ち破る新しい機械加工冷却の形です。
ドライ環境を構築しツールとワークそれぞれへの影響を従来より抑えることで、
これまでになかったメリットを加工の現場に届けることが可能となりました。
その革新的な技術に多くのお客様に触れていただけるよう積極的な活動と、
同時に新機能の開発も行うことで、さらなる普及を目指しています。

DIPSとは

DIPS(Dry Ice Powder System)はドライアイスを活用する外付け式クーラントシステムです。液化炭酸ガスボンベからドライアイスパウダーをリアルタイムに生成しながら、それを高圧のアシストエアに乗せて加工点に直接噴射すると、ドライアイスパウダーは瞬時に気化(昇華)し体積を膨張・ガス化、局所的に酸素濃度の低い不活性化雰囲気を生み出します。相対的な酸素濃度の減少により加工点の熱の発生、工具の酸化を同時に抑制可能で、結果として工具寿命の延長にDIPSは貢献します。クーラントとしてはドライな環境での作業が可能な新しい手法の冷却システムです。

ドライアイスパウダー

生成された粒径約30ミクロンのドライアイスパウダーは大気圧下では瞬時に昇華・ガス化するため、加工点付近や加工機内に残渣物が一切発生しません。また、ドライアイスパウダーにはアシストエア圧以外のパワーがなく、ワークへの影響もゼロにすることが可能で、後工程の簡略化にも大きく貢献できます。

安定した結露対策

システムに含まれるエア・ドライヤによってエアの露点と温度をコントロール。さらに2流体(エア+ドライアイスパウダー)を噴射する独自のノズル内構造により、急激に冷却される加工点に対し露点をマイナス40℃以下まで乾燥させ、且つ60℃近辺まで温めたエアを同時に噴射させることで急激な結露を防止します。

コンパクトなシステム設計

従来のクーラントシステムと異なるのは既存の加工機への取り付けが容易である点です。既存装置の大きな改造は必要なく、装置への載せ替えも簡単。今日はこの加工機、明日は別の加工機で、明後日は別の工場へ持って行って…と、フレキシブルに搭載する加工機を選べてしまう汎用性の高さも特徴です。

3種類の運転仕様

オペレーターがすべての操作を行う「マニュアル仕様」、ドライアイスパウダーの噴射ON/OFFをタイマーで管理する「タイマー仕様」、加工装置のNCから外部運転信号を受信して追従する「外部運転仕様」の3種類をラインナップ。各種ホース類やケーブルは長さを細かく設定可能で、お客様の使用する環境に合わせた仕様が実現できます。(※1)
※1 標準はマニュアル仕様となります。タイマー仕様、外部運転仕様はオプションです。詳しくはお問い合わせください。

加工事例

製品情報

DIPS10-1SA

本体と制御部がそれぞれに分かれた
設置汎用性の高いDIPSのスタンダードモデル

機械寸法メインユニット:149x200x430(WxDxH)
制御ユニット:330x 149×200(WxDxH)
機械重量メインユニット:6.5kg
制御ユニット:4.5kg
噴射ノズル1本(噴射幅:φ6mmスポット)
噴射圧力0.45MPa(最大)
粒子大きさ5μm〜30μm
冷却媒体液化炭酸ガス
液化炭酸ガス流量最大:0.25kg/min 常用:6MPa
ガス供給方式液化炭酸ガスボンベ(サイフォン管付必須)
供給電源AC100V
設置環境条件直射日光の当たらない室温28℃以下の環境
通気性のある場所で、室外へ排気の出来る環境
セット内容エアドライヤ、ミストセパレータ、
マイクロミストセパレータ、レギュレータ、
液化炭酸ガス接続管一式、アシストエア接続管一式
 システム構成図

DIPS30-1TE

最小構成でシステム構築が可能な
ポータビリティに優れた一体型卓上DIPS

機械寸法440x300x150(WxDxH)
機械重量7.0kg
噴射ノズル1本(噴射幅:φ6mmスポット)
噴射圧力0.45MPa(最大)
粒子大きさ5μm〜30μm
冷却媒体液化炭酸ガス
液化炭酸ガス流量最大:0.25kg/min 常用:6MPa
ガス供給方式液化炭酸ガスボンベ(サイフォン管付必須)
供給電源AC100V
設置環境条件直射日光の当たらない室温28℃以下の環境 通気性のある場所で、室外へ排気の出来る環境
セット内容エアドライヤ、ミストセパレータ、 マイクロミストセパレータ、レギュレータ、 液化炭酸ガス接続管一式、アシストエア接続管一式
システム構成図